【終活】60代の母が作るエンディングノートに代わる「エンディングファイル」

【主婦業】

 自分が亡くなった後、残された家族や友人に対して自分の意志や希望を伝えるための「エンディングノート」。

 内容や形式も多様化していき、最近ではネットから無料でダウンロードできたり、デジタル版のエンディングノートも登場しています。

 そんな「エンディングノート」、私の63歳になる母親も終活のひとつとして購入したのですが、途中で挫折してしまいました。

 それでも自分が亡くなった時に家族が困らないようにしたいという母は「エンディングファイル」を作ることに。

 今回は母がつくる「エンディングファイル」についてご紹介。

60代で終活をしようと思ったきっかけ

 終活を考えたきっかけは、夫の突然死。

 あまりにも突然のことで、所有している不動産や会社のことについて全く話を聞いていなかったのでとても困りました。

 相続の手続き(相続税の申告から納税が完了するまで)は被相続人の死亡を知った日の翌日から10カ月以内と期限が決まっています。

10ヶ月もあるんだから余裕でしょ?

 相続の手続きはそんな甘くありません!

 家族が多かったり、資産の内容によっては複雑になることも想定されます。

 私が銀行に勤めていたとき、相続の手続きに来店される方で「この資産の配分に納得いかない」など家族間でもめている話をよく耳にしました。

 遺産分割協議書を作成し、必要書類をそろえて不動産や銀行などの手続きをするのは膨大な手間と時間がかかります。(※遺産分割協議書は必ずしも必要ではありません。資産の内容や家族間の話し合いによってはあった方がいい場合があります。)

 わが家の場合、私が銀行に勤めていて、相続に必要な書類等ある程度知っていたのですぐに書類の準備を始めましたが、それでも手続きが終わるまで9カ月かかりました。

 母は夫の突然死から自分が相続で困ったことをきっかけに、「終活」について真剣に考えるように。

エンディングノートを挫折した理由

 60代で「終活」を考えたときに、とりあえず一番手軽に始められる「エンディングノート」を購入した母。

 細かい字でたくさんの文字が並んでいる中身をみて、それだけで書く気が失せてしまったそうです。

母

字がいっぱいで目が辛い。

こんなことまで書かないといけないのかしら…。

 63歳の母は老眼に加えて、首のヘルニア持ちで、下を向いて細かい字を見続けることが負担となり、エンディングノートは挫折しました。

 エンディングノートは60歳を過ぎた人にとっては「たくさん項目があって、記入スペースも小さい」と感じるひとが多いかもしれませんね。

 老眼や腰痛、母のように首のヘルニアなどを抱えている人にとっては負担に感じてしまうでしょう。

手作りの「エンディングファイル」

 ファイルとポケットリフィルは100均で購入。

 銀行や保険情報などコピーできるものはコピーで済まし、必要に応じてメモ程度の簡単な文章をかくだけのシンプルな作業でつくったファイルになります。

 これを気が付いたときにコツコツと作成している母。

 ちなみに現段階でファイルにいれているものは以下のとおりです。

・遺影に使ってほしい写真

・基本情報として住民票のコピー(生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本が必要となるため、本籍が変わった場合は全ての本籍をメモするなど、分かるようにしておいた方がいいでしょう)

・葬儀プラン表

・年金について

・銀行口座、保険、クレジットカードのコピー

・公共料金(電気、水道、ガスなど)の申込書のコピー(解約等の手続きする際に、お客さま番号が必要になるため)

・NTTから借りているWi-Fiの返却先

・携帯電話の契約書のコピー

・webサイトのIDとパスワード(手書き)

 母が購入したエンディングノートには、公共料金のお客さま番号を記入するページがありませんでした。

 解約等の手続きをする際は必要になってくるものなので、分かるようにしておくと家族は助かるのではないでしょうか。

 Wi-Fiなど何か企業から借りていて返却が必要なものがある場合、そちらも分かるようにしておいたほうがいいですね。

 こちらもエンディングノートの項目にはありませんでした。

「葬儀プラン表」とは、母が葬儀会社に会員登録した際にいただいた葬儀のモデルプラン表です。

 

まとめ

 以上、夫の突然死で困った経験から終活をはじめた60代の母がつくる「エンディングノート」に代わる「エンディングファイル」が実用的だと感じたの紹介してみました!

 ファイルと書類を入れるポケットリフィルを用意して、コピーできるものはコピーで済まし、必要に応じてメモ程度の簡単な文章をかくだけのシンプルな作業でつくった「エンディングファイル」。

 実際に相続のを経験したからこそ分かる、生まれてから亡くなるまでの全ての本籍地や公共料金のお客さま番号、借りているものの返却先等、エンディングノートには記載されていないけど必要な項目があること。

 多種多様なエンディングノートが登場し、何がいいか迷っている方も多いかもしれません。

 もしかしたら母のように、細かい字をみて小さいスペースに文字を書くのが負担となり挫折してしまったという方も少なからずいるのではないでしょうか。

 そんな人の参考に少しでもなれば嬉しいです。

 

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